2015年06月27日

海街diary

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「この映画、何回でも観に行きたいな。」

映画を観終わった後の率直な感想である。この『海街diary』は鎌倉で住む四人姉妹の物語なのだが、大きな事件、どんでん返し、といった類の出来事は起こらない。私達が住むこの日常を淡々と見せてくれる。しかし、役者の演技と丁寧な演出、そして鎌倉と言う街と人が見せる魅力的な映像がこの淡々とした日常を映画にしてくれている。その感じで言うならば、不慮の事故で亡くなった長男の15回忌集まる家族の物語である『歩いても 歩いても』に似ているかもしれない。

この作品は細かな部分の演出が本当にうまい。例えば、四姉妹の普段着ている服や髪形。そして、服の脱ぎ方、歩き方、家の門を締めるか否か、ご飯の食べ方といった細部で姉妹の人間性が見えてくる。特に冒頭のシーン、次女が男の部屋から姉妹の家に帰るまでのシークエンス。服の着方や話し方、服のセンスから“外見上は綺麗で社交辞令もわきまえるけど、本質的にはちょっと男っぽくてがさつな所もありダメな男としか付き合ってなさそう。”って言う事がなんとなくわかる。その後、姉妹で食卓を囲むシーンで“三女は、女っ気はなくけど、どことなく自由奔放そう。”長女は“生真面目で長女としてしっかりしないといけない。”ということがどことなく感じられる。

もう一つお気に入りのシーンを紹介すると、長女が梅酒をお母さんに届けるシーン。久しぶりに帰ってきた四姉妹の母親。しかし、長女との心の溝は深く会えば喧嘩ばかり。そんな長女と母親が2人でお墓参りをした後、庭先の梅の話から梅酒をつけており、それを長女が取りに行くシーンで母親が

「すべるから危ないわよ」

これが序盤の方で長女があわてて家を出る次女に対して向ける「危ないわよ」言い方とフィードバックさせ、いくら心の隔たりはあろうとも親子であるという事が分かる感じになっている。

また、作品全体で描かれる鎌倉の風景のや四季の描写も良い。秋には紅葉がちらつき、冬には姉妹でこたつに入り食卓を囲み、春には桜のトンネルを自転車で駆け抜け、夏には虫が鳴く音に花火大会があってと四季折々の鎌倉の姿を綺麗に映し出している。そして、海猫食堂のおばちゃん、そこに通う喫茶店のマスター、ちかちゃんが務めるスポーツ屋の店長、すずちゃんの同級生、といった優しい人々が姉妹たちの魅力を最大限に引き出している。

“優しい”と言う事で思いだしたが、この映画はどこか前向きである。苦しい事や辛いことがあってもそれをサポートしてくれる人が必ずいるし、わだかまりがあっても前向きに解決している。「細かな人間描写」と「四季折々の鎌倉の風景」、そして「優しさ」この3点が合わさった時、『海街diary』は何度でも見たくなるような映画になったように感じる。多分またこの映画を見返すだろうし、気が付いたらあの姉妹の事をあの街の事を思い出す様な気がする。そう、映画が終わっても僕の頭の中では『海街diary』は続いている。
posted by ゴリさん at 20:41| Comment(0) | 映画 | 更新情報をチェックする

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