2016年01月18日

種明かし 星野源『YELLOW DANCER』のレビューに関して

91RVgur54DL._SL1500_.jpg

http://ongakudaisukiclub.hateblo.jp/entry/2016/01/15/183130

発表になりましたね『ネットの音楽オタクが選んだ2015年の日本のベストアルバム』。結果見て「お、これがこの順位か。」「あ、この作品がないじゃん。」と言いながら、個人的には楽しく見せていただきました。で、今日はこのサイトに寄稿した星野源『YELLOW DANCER』のレビューに関しての話をしたいと思います。

もうすでにこのレビューを見た人なら多分、変な文だなって思った人もいると思うんです。書き終えて改めて見直した自分も「こんな女はいないだろうな。。。」って思ったりしたんですが実はこのレビューには元ネタがあって、それがわかると違った面白さが出てくる文章にしたかったんですね。

で、今からその話をする前に、『ネットの音楽オタクが選んだ2015年の日本のベストアルバム』のレビューを改めて見てみましょう。




星野源『YELLOW DANCER』

ありがとう。すごくよかったよ、貸してくれたCD。山田君って星野源なんか聴くんだね。はじめて聴いたんだけど星野源ってソウルやディスコミュージックが好きなんだね。それがJ-POPのエッセンスとバランスよく融合してすごくおもしろかったんだけど、なんかこれを聴くと小沢君の『LIFE』思い出しちゃったよ。

『LIFE』って「ラヴリー」でBetty Wrightの「CLEAN UP WOMAN」や「ドアをノックするのは誰だ?」でJackson Fiveの「I Will Find A Way」とソウルミュージックを主に元ネタに使ってて、それが歌謡曲のエッセンスと混ざると『LIFE』ってアルバムになると思うの。
ほら、フリッパーズのとき小沢君って歌ってなかったでしょ?でも、『LIFE』ではホーンセクションやコーラスを脇において、中央で威風堂々と歌っていたし、ほとんどの曲がシングルカットされるベスト盤に近いアルバム構成だったのよ。これって70年代〜80年代の歌謡曲にオマージュを捧げていたのかなって感じるの。

そもそも小沢君って歌謡曲が好きで、この『LIFE』の後に筒美京平とタッグを組んで『強い気持ち・強い愛/それはちょっと』というシングルを作ったりしてるの。それを考えると、見栄を切って歌うことも、ベスト盤みたいな構成も納得いくかなって。それにね、『LIFE』も星野源も批評性を持った作品なんだと私思うの。

星野源のこれってEDM化したJ-POPへのカウンターとして出てきた作品だと思うの。それでね、小沢君の『LIFE』も7インチシングルというものが出だして大量生産、大量消費が進む90年代に対して、そのカウンターとしてレコードが主であった70年代〜80年代の歌謡曲をオマージュにした作品を作ったと思うんだ。

そして、CDが売れないこの時代に星野源は10万枚以上を売り上げ、オリコン1位を取ったし、『LIFE』も累計で70万枚以上売り上げたのよ。これってカウンター的な役割が成功した事の何よりも証なんだと思うの。でね、『LIFE』の翌年1995年に小沢君は紅白歌合戦で「ラブリー」を歌って20年後に星野源は同じ舞台で「SUN」を歌ったのよ。もしかして、星野源って小沢君の生まれ変わりなんだと本気で思っ……、ねえ、聞いてる?

「聞いてるよ。星野源の『YELLOW DANCER』の話だろ?」

……そうだけど。




といった感じのレビューです。パッと見れば「小沢健二が好きな女の子が男の子に熱弁をする。」っていうような構成なんですが、いくつかこの文章ナゾな部分がありましたよね。

・なぜ、この女の子は小沢健二が好きなのか?
・山田君って誰?
・そもそも、二人の関係って?

この質問に答える前になんでこんなレビューを書こうと思ったのかという話をサクッとしたいと思います。そもそも星野源の『YELLOW DANCER』に関して音楽だいすきクラブ内で楽曲の元ネタや売れた理由など含めて1000字くらいでがっつりレビューしたんですね。で、また星野源『YELLOW DANCER』をレビューしようと思った時に、最近ツイッター界隈で話題になっている「星野源が2010年代の小沢健二だ!」というのを元にして

『YELLOW DANCER』は2010年代の小沢健二の証明であり、2010年代の『LIFE』である

これを軸に書き進めようと考えたんです。でも、さすがに2回も同じ作品レビューするとこちらも「普通に書くの面白くないんじゃない。」って思って、そこで考えたのが“パロディにしよう”って思ったわけです。で、真っ先に本棚からあるマンガ本を取り出したんです。それが岡崎京子の『リバーズ・エッジ』でした。

リバーズ・エッジ 愛蔵版 -
リバーズ・エッジ 愛蔵版 -

93年から94年にかけて雑誌「CUTiE」で連載されいた作品で90年代はじめの「都会」に生きる高校生たちの姿を描いた岡崎京子の作品なんですが、今回の星野源のレビューはこの作品に出てくる田島カンナと山田一郎という二人の会話をもとにして作成してみようって考えたんです。なので、冒頭の「ありがとう。すごくよかったよ、貸してくれたCD。」と「ねえ、聞いてる?」「聞いてるよ。〜」ってこのフレーズは実際、作中にあります。(リバーズ・エッジでは「オオオニバスを見つけてうれしいって話でしょ。」って山田君は言っていますが)

では、なぜこの作品をパロディにしたのか。岡崎京子という人は以前、プロフィール欄に「小沢健二ファンの」とつけるくらいの大ファンでありました。これに関しては僕よりも、音楽だいすきクラブ内でじゅりあさんが話していますので、こちらを読んでいただければと思います。

http://ongakudaisukiclub.hateblo.jp/entry/2014/06/22/111209

で、このリバーズ・エッジで田島カンナというオリーブ少女を絵に描いたようなファッションに無償の愛を山田君に捧げる、山田君が何考えているのか知らなくていい、わたしは山田君が好き、一緒にいれるだけでいい。っていうこの構造がオザケンファンである子猫ちゃん達の姿ではと言われていました。それが、なんとなく個人的には今の星野源が好きな女性ファンとかに当てはまるのかって僕は思ったわけでして。いや、もっと言えば“アーティストとファンの関係性”全体にこの事って言えるのかなって。

だからこそ、この文章の元ネタとして『リバーズ・エッジ』を使ってみようかなと思い作成したわけでして。でも、書いた文章を見ればお分かりの通り「こんな女はいない!」でしたが・・・。

まあ、今回色々書いたんですけど、音楽を伝える目的であれば、レビューってもっと色んな形があっていいと思うし、自由でいいと思うんですよね。ほら、間章のライナーノートとか今読んでも「文学作品!?」って思えるくらいとんでもないもだったし。音楽のレビュー書いた人であるなら分かると思うんですけど、音って言語化できない以上、その魅力を伝えるのって凄く難しいわけじゃないですか。そして難しいからこそ、試行錯誤できるし、伝える手段は山のようにあるのだと思うんです。

と、こんなこと言ってる僕が実は一番冒険してなかったりするんですが(笑)

てなわけで、今日はここまで。
posted by ゴリさん at 12:50| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年12月31日

今年の最後に


家でパソコンに向いながら、今年の事を少し振り返ってみた。

今年は文章を書く機会に恵まれた1年であったと思う。自らのブログだけでなく、ki-ft()や音楽だいすきクラブ()で自らが思う事やCDレビュー、ライブレポートなどを気が付いたら書いていたと思う。そして、その書くことがきっかけでたくさんの人と出会い、刺激を受けて、この1年で音楽の知識の幅が増えた気がする。本当に出会った人には感謝しかないし、なんとかして色んな形で恩返しができたらなと思う。

そして、出会いがあれば別れもある。

特に仲良くしてたライブ友達との突然の別れは本当に哀しかった。ツイッターで知り合って3年。時々合ってはライヴを見たり、お酒飲んだりしした。2月位に新年会的なノリで集まった際にはとても元気にみんなと一緒にお酒を交わしていたが、その1ヶ月後に突然の別れ。未だに彼が大好きだったツイッターのTLに「ディスコ!!」と書き込みするんじゃないかと思ったりもしているが、半年以上書き込みはないままだ。

「出会い」と「別れ」。生きていくうえでこの循環には必然だと思うが「別れ」だけは、特に家族と大切な友人の別れだけは本当に経験したくない。来年が僕の周りで不幸な事が起きないことを切に願っている。

最後に自分の今後についても考えてみた。

来年でいよいよ30を迎えるわけだが来年も読んで面白い文章を書く事を続けていこうとは思う。ただ、来年はいろんな場所で書いてみたいとも思っているし、音楽以外の事も書いていこう思ってもいる。20代最後の悪あがきは30代でも継続していくつもりだ。

そして、今年1年で実感したのが圧倒的に知識が足りない事と幅広い視点を持たなくていけないと実感した。そこで来年から独学で英語を勉強しようかと思う。以前、田中宗一郎さんと田中亮太さん、そして岡村詩野さんの3人のトークショーを見たのだが、田中宗一郎さんが「これからライター目指すなら英語を勉強しなさい。英語ができれば受け取る能力や伝える能力が5しか無くても、それが倍に広がる。」てこをおっしゃっており、その言葉に感銘を受けて今年は大嫌いな英語に少しずつトライしてみようかなと思った次第である。

僕の人生もいつかは終わる。

だから、いつ終わっても悔いが残らないよう今を一生懸命生きる。

もちろん誰を悲しませることなく。

そして、僕の周りの人が毎日笑顔で過ごしていただける事を願いこの文章を締めたいと思う。

今年一年も本当にありがとうござました。
posted by ゴリさん at 17:49| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする